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大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病)
大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病)とは
大腿骨頭壊死症とは、大腿骨頭の非炎症性無菌性壊死と定義される病気です。
若い小型犬に多くみられ、大腿骨頭への血流が阻害されることで骨頭が壊死します。血流が減少する理由ははっきり分かっていませんが、ホルモンの影響、遺伝素因、解剖学的構成、関節包内の圧力の増加、大腿骨頭の梗塞などが考えられています。一般的に片側のみ発症しますが約10%の確率で両側に発症します。
正常の股関節
症状・診断
症状の出かたは骨頭部の壊死程度によって様々です。ごく軽度の壊死の場合は無症状なこともあります。症状が出ると、罹患側の後肢に体重をかけたがらず、時に股関節を触ろうとすると痛みで悲鳴をあげる事もあり、大腿部筋量が低下してきます。
診断方法は主に歩様検査や整形外科学的検査を中心とした触診検査、最後はレントゲン検査にて診断します。特に、典型的な大腿骨頭壊死症の場合、レントゲン検査では骨頭部の壊死や変形所見が認められます。
大腿骨頭壊死症
治療
病状が初期であったり、症状や圧壊の程度が軽度であれば、初めは内科療法(サプリや鎮痛剤)にて対応します。また、大腿骨頭壊死症の診断がつきにくい所見な場合もあるため、これらはしばらく定期的にレントゲン検査を実施しつつ慎重な判断が必要です。
病状が中〜重度であれば外科的な対応が必要です。
外科治療としては主に大腿骨頭切除、股関節全置換術が挙げられます。
術後は積極的な運動療法にてリハビリを行いつつ定期的な再診にて回復程度を確認します。
大腿骨頭切除後